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映画「国宝」の事など  京都スターブックス

今年最大の話題作、「国宝」を観た。邦画の実写作品としては歴代興行成績NO.1
になったらしい。今なぜこの映画がこんなにヒットしたかは私にはわからない。
1300万人が観たというから凄い。歌舞伎は競馬と同じく血統がものを言う世界で、
この作品も言わば、血をめぐる人間たちの葛藤、憎悪、嫉妬などを描いたもので、
主人公の一代記として観れば面白い。ただ、女性の側からの視点が浅い。
もっと深掘りして情念まで描けていればもっと良かった。この作品を観たら、是非
戦前の溝口健二の傑作「残菊物語」も観て欲しい。「国宝」と同じく歌舞伎の
世界を描いていて、歌舞伎役者も多数出演してます。女の描写が凄絶で観ていて、
いたたまれなくなります。
今年の南座の顔見世興行には「八代目尾上菊五郎」の襲名披露口上がある。
歌舞伎の大名跡「菊五郎」の襲名は歌舞伎界にとってはそうそうない慶事なので、
大枚をはたいても観る価値がある。人間国宝の七代目菊五郎は存命ながら
脊柱管狭窄症を患い思うような舞台が勤められないため、八代目を襲名させた
もので、「菊五郎」がふたりいるというありえない状況になる。これで
「団十郎」も「菊五郎」も代替わりして、安泰と言える。そこで思い出すのは
七代目中村歌右衛門の事。9代目中村福助が襲名する直前に病に倒れ、
現在も空席のまま25年になる。6代目歌右衛門は女形の至宝と称された人間国宝。
この大名跡は重い。私が生きているうちに襲名披露が観れるのだろうか。

 画像は6代目中村歌右衛門のサイン入りプロマイド。昭和28年南座での襲名披露直後の公演での艶姿です。

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