枕元に漫画
何を書こうかなと思っていたのですが、最近の漫画家の訃報にふれたからか、
枕元にある漫画を好きに紹介したいと思いました。
・吾妻ひでお『失踪日記』
なぜか読んでいると、すぐ眠れる。何回も読んでいるからだろうか。家の近くの林で隠遁する著者の生活がなぜか生き生きしているように見える。寒い日に発酵しかけのリンゴを手にあったかいと思ったというシーンには「おぉ」と思った。水木しげるは片腕の切断された断面が治ってきたとき、そこから赤ちゃんの匂いがしたと言ったというが、なぜかそれを思いだす。日本漫画家協会賞大賞や文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、イタリア・グラン・グイニージ賞を受賞し、日本の漫画家の作品として初めてイグナッツ賞にノミネートした(ウィキペディアより)
・いがらしみきお『今日を歩く』
散歩エッセイ漫画。著者の漫画は他に『かむろば村へ』しか読んだことがない。代表作になるのはどれなんだろうか。『今日を歩く』は散歩中に起こるあれこれを描いた漫画。これも何度も読んでいる。どの話から読んでも読める。トランプが道に落ちていた話はとても引き返せない感じが絵にでているなあと読むたび思う。
・三宅乱丈『イムリ』
全26巻。連載開始から14年の歳月を経て完結したSFファンタジー・サーガ。支配民族カーマ・奴隷民族イコル・土地に根付いた生活をする民族イムリの民族間の争いを描いている。イムリは必ず双子で産まれ、互いに夢で実際見たことを知らせあうことができる等、設定もおもしろい。10巻あたりまでの主人公デュルクが事に巻き込まれていく様はすごく引き込まれると思う。支配民族カーマ内の権謀術数の数々も見所。『イムリ』しか三宅乱丈の作品を読んでいなかったときはわからなかったが、ギャグ漫画もあって『大漁!まちこ船』、『ぶっせん』(仏教専門学校の略)などおもしろかった。『PET』は愛蔵版もたしか出版されており、人気の高さがわかる。
・山本章一『堕天作戦』
これもSF。現在進行中の作品。魔人と人類の争い。5巻まで紙の本で出版されているが6巻からはKindleでしか読めない。第1巻の2話で、絶望的な状況にあるキャラクターからグッとくる台詞があった。「生きていれば辛いこともいっぱいだけど、悲しいことも嬉しいことも感じる心はひとつです。鈍くしてたら、大事なものまで見逃しちゃいますよ。」
・野村宗弘『かけおちはスクーターに乗って』
全2巻。ドロドロしたところはほぼなかった。というより爽やか。タイトルですべてがわかってしまうような作品だが、こちらもグッとくる台詞あって挙げてみた。「人生をムダにして逃げるのは、ワクワクするんですよっ」
・五十嵐大介『海獣の子供』
全5巻。大傑作。読まない手はない。劇場版アニメも公開された。著者はどこかで中沢新一と対談していた。海の神話。ジュゴンに育てられたという少年・海と空、少女・琉花のふしぎな冒険。
・古谷実『ゲレクシス』
全2巻。古谷実の漫画は『ヒミズ』、『ヒメアノール』映画化されている。『僕といっしょ』はだれだったか有名な評論家が90年代最高の青春文学と評していた。『行け!稲中卓球部』からずっと人が主人公だったが、『ゲレクシス』はちょっと違って、説明が難しいが、『ゲレクシス』とは、そいつが「この世にいてもいなくてもいい比率が完全に完璧に半々になった人間が希にこうなる」状態で「善人悪人じゃない 比率だ 比率が完全に半々になった現象だ」と作中で語られる。40歳バームクーヘン一筋の男が迷い込むゲレクシスの世界。
・小林有悟『アオアシ』
サッカー漫画。現在も連載中。地元では点取り屋だった主人公がユースに入り、フォワードでお前は通用しないとサイドバック転向を告げられ、挫折しながらも現代サッカーにおいて重要なサイドバックとしての道を歩んでいく。サッカーの戦術などもいろいろあって面白い。また巻末では内田篤人、中村憲剛などとの対談もある。
書いて漫画を読み返してを繰り返していたらキリがなくなってきたので、また書く機会があればその時に別の作品についても書きたいと思います。